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2007年5月27日 (日)

藤沢周平・武家物の短編集

麦屋町昼下がり(むぎやまちひるさがり)」。
武家物の短編集の中では一番好きな本です。4編からなります。1冊読み終えるのにそう時間はかからないでしょう。

200705271カバーの絵は表題のお話の中から、弓削(ゆげ)と敬助の対峙場面ですね。足袋をはいていたのは敬助だったんじゃ?と細かいことにちょっと茶々を入れ…。それはともかく話は敬助が弓削の妻女を助けたことから話は展開していきます。
三ノ丸広場下城どき」:深酒で身体がなかった中年男、重兵衛が警護を失敗して…。
山姥(やまんば)橋夜五ツ」:孫四郎は自刃(じじん)した半之丞の遺書を手にし…。
榎屋敷宵の春月」:物語の剣士は小太刀(こだち)を使う人妻。夫は執政入りを望んでいるが実にふがいなくて…妻が挑むわけです。今の人ならすぐ離婚でしょうけれど…。
(追記:時代劇スペシャル「花の誇り」【放送日時】NHK総合テレビ 2008年12月20日 午後9時~10時27分【原作】藤沢周平「榎屋敷宵の春月」【出演】瀬戸朝香 酒井美紀 田辺誠一 山口馬木也 葛山信吾 石橋蓮司 ほかだそうです)

最後のお話は当然として、他のお話の中にもそれぞれちらっと主人公のお相手の女性が登場。そしてお約束の手に汗を握る?果たし合いの場面があります。
隠し剣シリーズでは悲しい結果に終わるお話も多かったのですが、この本はその後をほんのり思い浮かべてしまうようなお話になっていました。

その隠し剣シリーズは何編かはめずらしく楽しみながら書いたと作者があとがきに書いている本です。
隠し剣孤影抄」は8編(こえい:ひとりぼっちの姿)、こちらに「隠し剣 鬼の爪」が入っています。「隠し剣秋風抄」は10編。この中最後の「盲目剣谺(こだま)返し」は「武士の一分」の原作ですね。見ていないのでわかりませんが、厚さ5mmにも満たない物語なので、映画は話を膨らませているのでしょう。

そして「たそがれ清兵衛」。でも、映画とは設定も話も異なります。映画はこの本の表題と「祝い人助八」、別本の「竹光始末」との合体だからですね。こちらは8編。麦屋町…寄りのお話になっています。

こういう本から現代に引き戻されますと、世間に面目(めんぼく)が立たないなどという言葉、死語になっていないかなぁ…。ふとそんなことが頭をよぎりました。

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たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛
うらなり与右衛門
ごますり甚内
ど忘れ万六
だんまり弥助
かが泣き半平
日和見与次郎
祝い人助八
竹光始末
竹光始末
恐妻の剣
石を抱く
冬の終りに
乱心
遠方より来る
隠し剣 孤影抄
邪剣竜尾返し
臆病剣松風
暗殺剣虎ノ眼
必死剣鳥刺し
隠し剣鬼ノ爪
女人剣さざ波
悲運剣芦刈り
宿命剣鬼走り
隠し剣 秋風抄
酒乱剣石割り
汚名剣双燕
女難剣雷切り
陽狂剣かげろう
偏屈剣蟇ノ下
好色剣流水
暗黒剣千鳥
孤立剣残月
盲目剣谺返し
天保悪党伝
蚊喰鳥
闇のつぶて
赤い狐
泣き虫小僧
三千歳たそがれ
悪党の秋

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