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2010年4月12日 (月)

麗しき花実/乙川優三郎

昨年、朝日新聞に連載されていたものです。連載時、池波正太郎さんの文庫表紙などを書かれていた中 一弥(なか かずや)さんの挿絵が載っていたのですが、本には載ってませんでしたね、それはちょっと残念でした。

本の中の登場人物、原羊遊斎(ようゆうさい)、酒井抱一(ほういつ)、鈴木其一(きいつ)らは実在の人物なんですね。その実在の人物の間に虚構の女性主人公「理野(りの)」の眼から見た蒔絵職人の世界や出会った人々、やるせない恋心などが描かれています。

たとえば、根岸の寮の女主人について、最初は女と書かれ、彼女→女主人、そして胡蝶(こちょう)という名が出てきても、女主人=胡蝶 と文章の流れから察しなくてはいけないところがありました。ちょっとわかりにくいんです。細切れの新聞連載時に読む気がしなかったのはこのせいだったのかもしれません。

理野は「兄が死にました。かわりにわたくしが修行いたします」と羊遊斎のもとで蒔絵職人として働き出します。
そして、やるせない恋心…
本の最初の方で、理野が男性関係の問題を起こしていたことが読み取れるのですが、それが何で、相手が誰なのかなかなか出てきません。それも気になって、登場人物がだいたい出そろった頃から読むスピードが上がります。
「いつも自然に近い感情を抱いてきたのは、この人であったと気づいた」
理野にからむ男性は別れた男によく似ている「祐吉」と、「其一(きいつ)」、そこに「金次郎」も加えておきましょう。
さて、理野の恋と職人としての行方は…。

「花逍遥の人波」という言葉が出ていました。坪内逍遙の逍遥だなとは思ったのですが、そこここをぶらぶらと歩くこと、ですって。知らなかったので辞書を引いちゃいました。

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追記:2010/9/28
亦々一楽帖(またまたいちらくじょう)/中 一弥:画 乙川優三郎:文・監修 2010/8/16発売

中 一弥さんの戦前戦後、麗しき花実が載っています。
あら、作家の逢坂剛(おうさかごう)さんは中さんの三男だったのね。

また、乙川さんの書き下ろし短編は
渓声(けいせい) 「麗しき花実」の8年後から始まる続編 
底紅(そこべに) 逍遙の季節収録「秋野」の続編
利休の文 闇の華たち収録「冬の華」の続編

紙が白いので、絵を見るときは良いのですが、読むにはちょっと眼が疲れました。

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コメント

登場人物にふりがなを書かれてありますが、う~んこんがらがってしまいそうですhappy01

「花逍遥の人波」・・・メモメモ覚えておきますhappy01

投稿: 紫音 | 2010年4月12日 (月) 22:22

紫音さんへ
話自体はおもしろいのですがね、取っつきにくい題材でもありますね。

さっそく、花逍遥してきました。ちょっとムリがあるな、バタバタと巡ってきました~!

投稿: マーチ | 2010年4月14日 (水) 11:22

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