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2014年1月22日 (水)

櫛挽道守(くしひきちもり)/木内昇

時は幕末。場所は中山道の宿場町、藪原宿。この地の名産品は、髪や地肌の汚れをくしけずるのに用いる、お六櫛(ろくぐし)。

父の吾助は梳櫛(すきぐし)職人。梳櫛の極めて細かい歯を刻む鋸(のこ)の拍子と木の芳香が家の中に満ちている。主人公の登瀬は母の手伝いよりも、男の仕事である櫛挽きを手伝う。

父の背 
弟の手
妹の声
母の眼
夫の才
源次の夢
家の拍子

職人気質の父、大事な跡取りの弟の急死。目次を見ただけでも、妹とも母とも夫とも心が通わない登瀬が見て取れて、重~い感じが漂ってます。
でもいい本だと思いますよ。もっとも、私は人生、やり直せるなら何かの職人さんになりたかったと思っているくらい、一つのことに打ち込んでいる人が好きだからから、そう思うのかも知れませんが。

ポイントは、急死した弟・直助が生前書いた続きものの草紙。
その文言がのちに登瀬の気持ちを変えます。

「・・・銘々の拍子だで、揃ってはないだども、ふたつ合わさるとなんともきれいだ。こんねにきれいな拍子をおらは聞いだことがないだでな」
父の言葉が、なんとも。
『家に中には櫛挽く音だけがある。
静かだった。』
こういう雰囲気、すきだなあ。

2014年本屋大賞ノミネート10作 のうち3冊、図書館に予約中。もうすぐ順番が回ってくる。自分が読んだり、読みたいと思っている本が、何かの賞にノミネートされているのは、ちょっとうれしいheart04

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コメント

人生やり直せたらじゃなくて、今からでも大丈夫ですよgoodお互いがんばりましょう~~sign03
それにしても、職人さんいなくなりましたよねぇ、技術の伝承はどうするんだろうって不安になりますdespair

投稿: 紫音 | 2014年1月25日 (土) 12:20

紫音さんへ
いえいえ、ムリです。集中力がないですもの。
寒いとか熱いとかの環境も敬遠されるのかも知れませんし、買い手が少ないと廃れてしまうこともあるでしょうね。

投稿: マーチ | 2014年1月25日 (土) 16:59

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